つりと茶髪と黒髪



実績なんて関係ないよ。
Aだから選ばれるなんて保証はないんだから。
Bだからなめてる奴は痛い目に遭うよ?


技能テストが始まった。
僕はもっぱら、森メンバーで行動中。
「初めは、50メートル走か」
!俺と走ろーよ」
犬……もとい、藤代先輩が声をかけてくる。
は俺と走るんだよ!」
三上先輩まで……。
長くなりそうなので、先に走らせて貰うことにした。
一緒になったのは、黒髪のつり目。
「よろしく」
一応挨拶したものの、さりげなく睨まれてるのは、気のせいじゃないよね。
まあいいや。
「よーいスタート!」
合図があって走り出す。
初めの20メートルくらいは僕が優勢だったけど、最後には並んだ。
「6秒1!」
結局タイムは同じ。
ー!!」
走り終わって息を整えていたら、藤代先輩がやってきた。
「ひどいよ、いつの間にかいなくなったら真田と走ってるし」
「……真田?」
聞き慣れない名前に聞き返すと、隣にいるじゃんと藤代先輩が指さしたのは
先ほど一緒に走ったつり目。
友人なのか、茶髪の奴と別の黒髪奴も一緒にいた。
3人がこっちを見る。
真田と呼ばれた奴が、未だにこっちを睨んでる。
「藤代先輩、知り合い?」
僕がそう言うと、茶髪が驚いたようにいった。
「俺らのことしらねーの?」
「知らない」
すかさず答えると、茶髪が凹んだ。
「U−14の真田・若菜・郭だよ、
見かねた藤代先輩が教えてくれた。
「若菜結人、MF!俺たちを知らないなんてもぐりだぜ!」
茶色いの。
「郭英士、MF」
さらさらな黒髪の奴。
「…………真田一馬、FW」
相変わらず睨まれてる。
「越前、FW」
3人に会わせてポジションも一応言っておく。
はうちのルーキーだよ」
藤代先輩の補足に郭を除く二人が驚いた。
郭の方は眉をひそめた。
こういう反応慣れたからもう良いけどさ。
「バカ代!何やってんだよ!さっさと走ってこい」
いきなり後ろから藤代先輩を叩いたのは三上先輩。
隣には渋沢先輩もいる。
少し息が荒いのは、先ほど走り終えたからかもしれない。
スタート地点には間宮先輩が立っている。
隣があいてるのは藤代先輩の為だろうか。
「うわっ、急がなきゃ!」
後ろがつかえてるのを見てあわてて行く藤代先輩。

「6秒0!」
……にゃろう。

END


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