GK


「相変わらずGKとDFのラインが駄目ね」
有希があきれるように言った。
私はくすくすと笑う。
「何がおかしいのよ」
おかしそうに笑う私を有希がジトリと見る。
その様子に私はますます笑った。

「僕、不破君を迎えに行ってきます」
そういって風祭君は水野君の返事を聞かずに飛び出した。
当の不破は、今現在武蔵野森に行ってる。
それを知ってるのは私と、気づいたであろう風祭君だけ。
「GKに加えてFWまでおらんくてどないすんねん」
私はスケッチブックをおいて、佐藤君のそばに行く。
「佐藤君、私GKなら出来るよ」
そういって袖をくいくいひっぱる。
「ほんまか!?」
そう聞いてくる佐藤君にコクンと頷く。
「ほな、不破の代わりにちゃん入ってな」
「おい、シゲ!」
「ええやん、タツボン」
そう言った佐藤君の半ば強引な説得でGKをすることになった。
どうせ暇だし、不破を止めなかった私にも多少の責任を感じたからだ。
未だ納得のいかなさそうな顔をしている水野くんからグローブを受け取りゴールの前に立つ。

サッカーゴールに立つのは久しぶりだ。
というより、あの時以来一度もGKはしていない。
上手く反応出来るだろうか。
少しの不安を感じながらも、目の前にやってくるFWとボールを見つめた。



END

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