いよいよやってきた、韓国との親善試合。
結局の所、現状は何も良くはならなかった。
悪くもならなかったけど。
王子以外の心配事も増えた。
何となく気になってはいたんだけど、直接彼の親友二人から頼まれてしまった。
頼まれたのは良いけど、一体全体私は何をすれば良いんだろう。
そう聞けば、特に何もしなくて良いって言われた。
ならなんで私にそんなことを言うのか?と問えば。
只、知っておいて欲しかった そう、若菜君から言われた。

とりあえず、注意しておくかと思った矢先。
西園寺さんから、笑顔で仕事を任された。
ああ、もう十分すぎるほどの仕事はもらってますよ。
そんなことを言ったら、あら、もっと欲しいかしら?と笑顔で言われた。
冗談じゃありません。
これ以上、仕事もらったら確実に私の睡眠時間が無くなります。
任された仕事の内容は至って簡単。
選手達よりも早めに韓国へ行き、ソウル選抜の練習を見てくる事。
道理で、私に韓国語を勉強しておくようにあらかじめ言ってたはずだ。
「しかし、収穫はほとんど無いな」
やっぱり、本気を見せてくれるほど甘くはなかったかと心の中で呟く。
他の選手のデータはそれでもなお取れてはいたが如何せん10番の彼は
明らかに本気を出し切ってくれてはいなかった。
まぁ、当然と言えば当然なのかもしれない。
「さて、そろそろ移動しようか」
これ以上見ていても収穫はないだろうと悟りスタンドから立ち去る。
そろそろ、都選抜と合流しに行かなければならない。

向かったのは焼き肉屋。
店の中に入ってすぐに都選抜メンバーを見つけることが出来た。
だって、凄く騒がしかったし。
何人かに気づかれたが、皆食べるので必死だったみたいだった。
とにかく西園寺さんの所へ向かう。
西園寺さんの隣にはちゃっかり翼さんが座ってた。
ちゃっかりものだ。
「西園寺さん」
そう声をかけると西園寺さんがこっちを向いてにっこり笑った。

どうしよう、ものすごく怖いんですけど……。



END

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