葉戦



試合当日、ぞろぞろと歩くサッカー部はある種通行の邪魔だなぁ〜とか考えながら歩く。
「ねぇ、不破」
「何だ?」
「今日の試合、楽しいと良いね」
「そうだな」
前は此処で『試合は勝たなければ意味がないのだろう?楽しい楽しくないは別だ』と
返ってきてたのに、不破も変わったもんだね〜
急に先頭(水野君)が止まったかと思えば、目の前には飛葉中のメンバーがいた。
「よう」
言い合ってる井上さんと佐藤君をよそにそう言ってきたのは黒川君。
「これどうにもならないのかな?」
「無理なんじゃねーの」
うーん、でも、このままだと通行の邪魔だと思うんだよね。
面倒だからとりあえず止めるか。
「佐藤君、いい加減からかうの止めなよ。
井上さんも、決着は試合でつければいいでしょ」
これあげるから今はおとなしくしててね。
そう言って井上さんの手のひらにミルキーを一個のせてやる。
「あっ」
誰かの声がして振り向けば、タクシーから降りてくる桐原監督と克ちゃんと……誰?
なんか人一倍うきうきしてる短髪の人。

「克ちゃん、久しぶり」
ただいま上水では作戦会議中なので、近くにいたら巻き込まれかねない!
なので、久しぶりに会う克ちゃんに挨拶。
電話やメールはしてるんだけどな。
「ああ、久しぶりだな」
「桐原監督も、風邪引きませんでした?」
洛葉中の試合、始の方雨に打たれたままだったから。
私がそう聞くと、ああ と短く答えてくれた。
「今日は飛葉中の偵察ですね」
まぁ、小島さん情報によると今まで無名(というかサッカー部自体がなかった)
だったにもかかわらず急成長を遂げたチームらしいから、チェックしておくのは妥当だな。
3人で来るって事はよっぽど要注意なのか〜。
「君はあっちにいなくても平気なのか?」
あっちというのは上水のチームがいるところ。
「私はマネージャーではありませんしね。
それに、あそこにいると意見を求められかねないんで」
逃げてきたんですよ。
そういうと、桐原監督はそうだなとフッと少し笑ってくれた。
かなり、貴重なのかもしれない!
だって、克ちゃんとその隣の人が驚いてる。
ふと、黒髪の人と目があって、にっこり笑われた。
「えーっと、克ちゃん?」
「どうした?」
「こっちの人は誰、かなーって」
目線を黒髪の人に合わせていった。
「ええー!俺のこと知らないの!?」
「えっあ、うん」
ええー!と残念そうというか、驚かれた。
そんなに有名なのかな?
そんな目で克ちゃんを見た。




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