飛葉戦
3
「はは、諦めろ藤代、は選手は覚えてない」
まぁ、確かにその通りだけどね。
そのことでますます落ち込んじゃったよ、彼。
「、こっちは藤代。うちのエースストライカーだよ」
「藤代誠二、武蔵野森2年。これから覚えててよね!」
よろしく!と元気よく言われた。
藤代、ふじしろ……どこかで聞いたような気がする。
誰かがその名前を言ってたような気がする。
誰が……?
たしか……。
「不破がそんな名前を言ってたような?」
「えっ、不破の知り合い?」
「あ、うんクラスメート。
私、上水2年の」
「ねぇねぇ、キャプテンとはどんな関係?」
なんか凄く、わくわくしてる犬のように見えるのは気のせいかな〜。
「俺とは幼馴染みだ、藤代」
私の代わりに克ちゃんが答えてる。
へぇ〜と、感心したように藤代君が呟く。
「ちゃんはさ、やっぱ、上水の応援だよね〜?」
いきなり、名前呼び……。
別に良いんだけど。
「はっきり言うとどっちの応援でもないかな〜、不破は応援してるんだけど」
「えっ、上水のマネージャーじゃないの??」
「違うよ」
さっき言ったじゃん。
藤代君のオーバーリアクションに思わずくすくす笑う。
「だから、楽しい試合が見られればいいかなーって」
こんな事、水野君や小島さんに聞かれたら怒られるだろうけどね。
「そやったら俺に任せてや〜」
私の名前を呼んでこっちへ来るのは佐藤君。
「……あっちにいなくて言いわけ?」
「ええねん、ええねん」
ひらひらと手を振ってそう答える。
「ふーん、怒られるよ?」
王子あたりに。
「それより、ちゃん俺にアドバイスくれへん?」
にかっと笑いながらそうのたまった。
アドバイスねぇ。
「因縁の井上さんとは、とりあえず前半は直接対決はないと思うよ」
「なんでなん?」
「んーと、井上さんでは佐藤君はちょっと荷が重い感じがするんだよね。
それに、あそこまであからさまだと冷静にプレーできそうにもないしね」
だから、前半は直接対決にはならないと思う。
たぶんね。
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