王子様とお



、何故水野が王子なのだ?」

「はぁ?何を唐突に」
何を言い出すかと思えば。
「クラスの女子が言っていた。
しかしいくら考えても分からん」
「そう言うことか。
うーん、分からないことはないけど」
「分かるのか?」
何だろう、不破の目がキュピーンと光った気が、した。
「要は女子に優しいしかっこいいし、おとぎ話に出てくる王子様みたいってことでしょ」
「そうなのか?」
ふむと言いながら再び考察モードに入る不破。
もそう思ってるのか?」
不意に不破に質問された。
「確かに、王子とは呼んでるけど思ってないよ。
それに王子様にはすでにお姫様がいるみたいだし」
私の答えに不破はそうかと答えた。
心なしか不破が嬉しそうな気がするのは気のせいかなぁ。
表情のわかりにくいクラスメートだが大分分かるようになってきたと思う。
「不破、そろそろ部活に行かなくて良いの?」
「今から行く」
そう言って不破は教室を出て行った。
未だぶつぶつと考えてはいたが。
結局なんだったんだろう。
そんなことを考えながら私も部活に向かった。

美術室の準備室に入り自分の名前の書かれてある引き出しから
スケッチブックを取り出した後グランドに向かった。
「アンタも毎日良く書いてるわね〜」
ふとスケッチブックに影が出来たので顔を上げると女子サッカー部の有希が居た。
「楽しいの?」
気がつけばもう練習が終わる時間帯だった。
「楽しいよ?お姫様」
私の台詞に訳が分からないといった表情の有希をそのままにして、
道具を持ってその場を立ち去った。



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