王子様とお



「何の話?」
「タツボンのお姫さんの話や」
楽しそうに言う佐藤君。
「嗚呼、その話ね。
何で知ってるかって?」
王子に聞くが、固まってる。
「だって、王子目で追ってるし。
もしかして自覚ナシ?」
赤くなってしまった水野にさすがにまずいと思って聞く。
「タツボンはほんまに気づいてへんかったんか」
それでも尚反応のない王子に、私と佐藤君の両名は深く溜息をついた。
「あかんわ」
「駄目だね」

まさか、王子が無自覚だとは思わなかった。
だって休憩時間の時とかずっと見てるのに気がつかない方がどうかと思うんだよね。
「ちょっと、
なんなのよ、さっきの『お姫様』って?」
部室に入ってきたのは有希。
うわぁ、有希タイミング悪すぎ。
ほら、王子が真っ赤になってるじゃんか。
「不破、帰ろう!」
あわてていった私の台詞に不破はちょっと不機嫌に何故だと聞いてきた。
これは、この先が気になって仕方がないんだね。
「アイス食べて帰ろうよ。
駄目なら先に帰るけど?」
そう言うと不破は渋々了承してくれた。
「ほらカザも、行くで」
「えっあっ、はい」
急に佐藤君にせかされて焦る風祭君。
他の部員のみんなもあわてて帰る。
「じゃあな、タツボン」
「じゃあね、有希」
そう言ってドアをして、佐藤君と二人で安堵の溜息をついた。
、アイスを食べに行くのだろう?」
不破が溜息をついている私と佐藤君を不思議に思って聞いてくる。
とっさについた嘘だったんだけど、まぁいいか。
「あっ、うん行こう」
「なぁ俺も行ってええ?」
「うん、いいよ。
風祭君も来ない?」
「いいんですか?」
「うん」

と佐藤はいつから気がついていたのだ?」
店でアイスを食べながら不破が言った。
「んー、何時って言われてもなぁ」
「そうやなぁ、タツボンわかりやすいし」
なぁ?と、私と佐藤君は顔を見合わせて言う。
「僕全然気がつきませんでした」
そう言ったのは、斜め前に座っている風祭君。
結構わかりやすかったと思うんだけど。

次の日、さんざん有希に怒られたけど、どうやらカレカノになったようで感謝された。
後で聞いたら、佐藤君も同じ様な目にあったらしい。



END

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