都選合宿
4


使ったタオルとドリンクは各自、箱に戻してくれるらしかった。
しかし、ドリンクをわざわざ受け取りに行く山吹さん。
効率悪いんだけどなー。
テストが終わって、わらわらと食堂に向かう選手達。
と、山吹さん。
ちょっと待て!
散らばったボールやらコーンをどうしろと言うんだろう。
タオルも洗わないといけないし、ドリンクも又作っておかなきゃいけない。
これは思った以上にハードかも。
とりあえず心配そうにこっちを見る克ちゃんには首を振って食堂へ行って貰う。
「不破」
手伝おうとしている不破に小声で話しかけた。
「なんだ?」
「これはマネージャーの仕事だから不破は手伝わないで」
「何故だ。
山吹とやらがやっていないなら――……」
「これはマネージャーである私の仕事、不破の仕事は選抜に残る事よ」
不破の台詞を遮って言う。
「大丈夫だから、行って。
午後からも練習あるんだから」
納得いかなさそうな不破の背中を軽く押せば、一度こっちを振り返り食堂の方へ行った。
練習以外で選手を疲れさせちゃいけないしね。
「さて、っと」
くるりとグランドを見回しても、コーンと使った後のタオルと空のドリンクボトル。
とりあえずは洗濯か。
そうして時間がかかるであろうタオルの洗濯の為に、動き出した。

何時までも、グランドにコーンを散らばらしたままにするわけにもいかないので
洗濯機にタオルをいれて洗濯機を動かした後グランドに戻ってきた。
「よっと」
コーンを積み重ねて集めていく。
幸いテストしかしてないから、そんなに数はないけど。
なんか、上水にいるよりも動いてる気がするのはなんでだろう?
「さて、次はっと」

コーンを集め終わった後、一度洗濯機に向かい乾燥機にいれて回した後ドリンクを作って冷やす。
それが終わったら丁度お昼休みが終わった頃だった。
今から食べる時間はないよねぇ。
昼抜きっ!?
「あっ、さん未だやってたんだ」
選手よりも先にやってきたのは山吹さんだった。
「お昼食べに行ってきたら?
後は私がやって置くから」
そう言ってくすくす笑いながらグランドの方へ行った。
後は私がって、することなんて何一つ無いはずだ。
つまりは、あれか、いいとこ取りって言うやつか。
ばからしい。


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