都選抜合宿
6
「ずいぶんとコントロールがなってないのね」
そう言えば、明らかにカッとなった男達がやってくる。
「なんだとっ!」
がしっと胸ぐらを捕まれる。
息をのむ声が聞こえる。
ちらりと見れば楽しそうに口の端をつり上げた山吹さん。
「事実でしょ?」
そう言えば、ますます相手を煽ったようだった。
「ってめぇ!」
相手は腕を振りかぶる。
殴られる?
バシッ!
殴ろうとした男の子の拳を受け止めたのは克ちゃんだった。
ちらりと見ると、怒ってた!?
怖い!怖い!
「手を離してくれないか?」
普通に言ってるように聞こえるかもしれないけど、これはかなり怒ってる。
「っく」
男の子の手が胸ぐらから離れると、克ちゃんは拳を受け止めた手を離す。
「守って貰わなきゃ何も出来ないくせに調子にのんな」
そう、ぽつりと私だけに聞こえるように言ってその子は元の位置に戻った。
……ムカツク。
「!」
男の子の方に向いてた克ちゃんが、くるんとこっちの方へと向いた。
「っはい」
うえー、怒ってる。
ちょっとビビリ気味に答えると克ちゃんは一呼吸置いて苦笑した。
「無理はしないように」
そう言ってぽんぽんと頭を撫でる。
「……無理かも」
呟くように言う。
「」
「うん、でも無理かもしれない」
そう返すと、ため息をついた。
「無茶はしないように。
駄目になったらちゃんと言うこと」
後半は私だけに聞こえるように言う。
「うん」
コクンと頷くと克ちゃんはいつものように笑った。
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