都選合宿
7


「なにしてるの!」
西園寺さんがやってきた。
騒いでたから仕様がないか。
「監督!」
殴りかかってきたのの隣にいる男がひどく憤慨したとばかりに声を荒げた。
「なにかしら?」
「なんで、コイツがマネージャーになったんですか!」
指を指しながら言う。
西園寺さんは男が指を指した後、その指に目線を映してこちらを見る。
……なんか楽しそうに見えるのは気のせいかな。
「飛葉中の監督である私と、桜上水のコーチ、そして何よりも武蔵野森の監督の推薦があったからよ」
西園寺さんは至極楽しそうに、そう述べた。

ざわざわと、ざわめくグランド。
思わず溜息をつきたくなる。
ざわついてるのを止めようとしない西園寺さん。
、いつの間にあいつと知り合ったんだよ!?」
王子がひどく驚いて言った。
あいつって桐原監督の事だよね。
「洛葉との試合の時に、ちょっと喋っただけだよ」
そう、ほんの少しだけ。
気に入られるような事、何一つした覚えないし。
「ずいぶんと気に入ってたみたいよ?」
「……私なにかしたっけ?」
克ちゃんに向かって首をかしげてみる。
「さぁ、でもうちのマネに欲しいとも言ってたぞ」
今度は克ちゃんの一言で、ざわめきは大きくなった。

「なっ、なっ」
わなわなと震える王子。
隣で風祭君が大丈夫?と聞いているみたいだけど、きっと王子にその言葉は伝わっていないだろう。
ガシッ!!
王子はガツガツと大股で歩いてきて私の両腕をつかんだ。
「い、行くのか!?」
……痛いんだけど。
必死の表情で聞いてくるのはなんだろう。
「いかないけど」
マネって向いてないし。
「よかっ、──いてっ!」
ほっとした王子の腕を、不破が上から腕をたたき落とした。


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