都選合宿




「不破、くん?」
風祭君が不破の名前を呼ぶ。
王子は固まってる。
当の不破は、自分の両手をまじまじと見つめていた。

一つ溜息をついてから不破の名前を呼ぶ。
だってどうせ、自分でもなんでたたき落としたか分かってないのよ。
「思わず体が動いたんでしょう?」
そう言えばこくりと頷く。
やっぱりか。
ちらりと不破から目線を外せば異様に楽しそうな玲さん。
完璧に楽しんでますね。
でも、そろそろ練習に戻った方が良いんじゃないですか?
そう瞳で返せば、つまらないとばかりに溜息をつかれた。
「さぁ、そろそろ休憩終了よ」
玲さんの言葉に選手達はわらわらとグランドに散っていく。
「克ちゃんも、不破も今は選抜のことだけ考えて」
風祭君も王子もね。
そう言えば各々返事を返してくれた。
「不破にとってこの選抜は良い経験になるよ。
だから精一杯楽しんでおいで」
そう言えば、わかったと頷いて選手の中に混ざっていった。
さぁーてと、空いたドリンクとタオルを片づけようかな。
なんか、こんな仕事しかしてないのは気のせいかなぁ。
山吹さんがこっち睨んでるし、さっさと退散しよう。
……どうせ、まだ仕掛けては来ないでしょうしね。

結局、午前中も午後もほとんど練習見られずに終わってしまった。


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