出会いと
始
まり
2
もう証拠も撮ったし、その子達の正体もきっと桜に聞けばわかる。
だから十分だ。
クラスだけならわかっているし。
犯人は6人だった。
みんなでやれば怖くないとでも思っているのだろうか。
ちなみに、C組の子だった。
教室に見張りの子をおいて、そのうちに、盗む。
慣れた手つきだな、なんてレンズ越しに見ながらシャッターをきっていた。
シャーペンとか、タオルとかが主だった。
けれど、今日は違った。
アンティーク調のネックレス。
明らかに彼がするのには不釣り合いのもの。
それを見つけた彼女たちは、見張ることも忘れ騒ぎ出した。
私が欲しい、私よ、と醜態をさらす。
これ以上はさすがに、駄目だと思って彼女たちの前に出た。
「何をしているかわかっているの?」
そういうと、彼女たちはビクッと反応しながらも素早くネックレスを体の後ろに隠す。
今更ね。
「何のこと?」
「それよりなんであんたがうちのクラスに入ってるのよ」
「そうよ、出て行きなさいよ」
口々に言う。
ああ、本当にバカなのね。
「あなた達のしていたことは、犯罪よ」
一言一言かみしめるように言った。
「っ!!何のことよ!!」
図星を指されたからなのか一人の女の子が顔を赤くして、私の方に一歩前に出てきた。
「とぼけても無駄だから。あなた達が何をしていたのか。全部知ってるし、証拠もあるから」
そういって、カメラを少し掲げて見せつける。
一気にその子達の顔色が悪くなる。
泣き出しそうな子もいる。
でもね、それですむと思っているなら大間違いよ。
「とりあえず、場所を変えるわ」
もうあきらめたのかその子達は、静かについてきた。
場所はあらかじめ話をつけておいた新聞部。
「どうしてあんなことをしたのかしら?」
静かに口を開いた。
その子達が口にしたのはこうだった。
渋沢君は、サッカー部の1軍だし優しくてかっこいい。
好きになってしまったけど、話すきっかけはなくて勇気もなくて。
初めのうちは、シャーペンの芯1本とかだったけど。
だんだんそれがエスカレートしてきて、今に至る。
とのこと。
話しているうちに、女の子達は徐々に泣き出した。
そしてその後、出てきた台詞がこれだった。
「お願い、見逃して!あなたにもあげるから!!」
この台詞に私はキレた。
「ふざけんじゃないわよ。分かってんのあんた達!
あんた達がやったのは窃盗よ、立派な犯罪。
それなのに『見逃せ』ですって。
挙げ句の果てに『あなたにもあげるから』?
あんた達にそんな権利はないわよ。
それは全部渋沢のものでしょ」
「だって、だって好きなんだもん」
「好きだからって何でも許されると思ってんの!?
馬鹿じゃないのあんた達」
そういうと、彼女たちは言葉も発せないほど泣き出した。
ああ、本当にくだらない。
何はともあれ、写真もさっきの会話を録音したテープもあるから何とかなる。
そう思い、私は深くため息をついた。
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名前変換無い(汗
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