可愛いの子




ウィーズリー家はグリフィンドール系の純血一族。
マグル大好きなアーサーと情にもろいモリー。
主席だったビルに、クィディッチメンバーだったチャーリー。
その二人に追いつこうと必死な堅物パーシー。
その下の悪戯双子のフレッド、ジョージ、その二人にいつもいじめられるロン。
人見知りが激しいジニー。
あまり知られてないが、実はウィーズリー家にはもう一人家族がいる。
グリフィンドール系のウィーズリー家にとっては異端と呼ばれる彼女。
なぜなら彼女は家族の中で唯一のスリザリン生だったからだ。
彼女の名前は・ウィーズリー。
ウィーズリー家の長女である。


いつものように寮の談話室で本を読んでいた。
授業ももうないし、あわてて済ますような課題も勉強もなかった。
弟たちに出くわすと騒がしいし、談話室で読書にいそしむ。
そういえば、下の弟と学校始まってから話してない。
……まぁいいか。
そう思って、再び読んでいた本に視線を戻す。
多少、談話室は騒がしいが慣れているので苦にならず、ひたすらページをめくる。

ぽすんっ。

誰かが隣に座ったみたい。
別に談話室のソファだから隣に誰かが座ってもおかしくはないので特に気にせず放っておいた。

パタン。
やっと本が読み終わったのはそれから30分後のことだった。
んー、っとのびをする。
その後ふと横を見ると、弟と同じ歳の少年。
「もしかしてずっと隣にいた?」
そういってみると、じーっと見つめられたあげくにぷいっと目をそらされた。
……拗ねてる。
「ごめんね、何か用だった?」
頭をぽんぽんと撫でれば、多少機嫌が直ってきたらしい。
ちらちらと此方の様子をうかがってくる。
「……何度も声をかけたのに」
「ああ〜、集中してたもんだから声が聞が聞こえなくて」
本当にゴメンね、とにっこり笑って謝れば途端に顔を赤くした。
「も、もう、気にしてない」
「そう、良かった。
ところで、何か用事だった?」
「別に、ただいたから……その」
言いにくそうにもごもごという。
つまりはかまって欲しかったわけだ。
ついおかしくてくすくす笑ってしまう。
「なっ、なにがおかしんだ!?」
がばっと立ち上がりこちらをみた。
それにあわせて、私も立ち上がり、女子寮の方へ向かった。
「おいっ」
「本戻してくるからちょっと待ってて、一緒に夕食に行きましょう」
あわてて声をかけてくる少年に、振り向かずにそういった。


「あっ」
大広間の付近ですみませんといって少年は扉の方へ走っていった。
そのままの歩幅で歩いていくと次第に騒がしくなった。
何事かと、多少あわてて扉に近づいた。
何やら数人のスリザリン生徒、同じく数人のグリフィンドール生。
それを遠巻きに見ている他の生徒達。
通れないんだろう。
「何事かしら?」
「「!」」
人混みをかき分けて、騒ぎの中心に躍り出たとたん、そろったように名前を呼ばれた。
一人はさっきまで一緒にいた少年で。
もう一人は弟。
「ああ、ロン久しぶりね」
にこっと笑えば照れたようにうつむく。
ロンの隣にいたふわふわ栗毛の女の子とくしゃくしゃな黒髪の男の子が信じられないといった様子でロンの裾を引っ張る。
「で、何をしてたのかしら?ドラコ」
さっきまで一緒にいた少年に尋ねる。
「いえ、あの、別に」
言いよどんだ。
また、スリザリン生の悪い癖がでたのね。
どうしてこう、グリフィンドール生を見かけるとちょっかいを出したくなるのかしら。
「そう。あなた達も平気だった?」
そう栗毛の女の子と黒髪の男の子に聞けば、こくこくと首を早く縦に振った。
「何事だい、通して通して!」
人混みを分けながら来たのは上の弟。
「やぁ、何があったんだい?」
「なんでもないわパース、ロン達をテーブルまで連れて行ってあげてくれるかしら?」
「それは良いけど……。
うちの寮のものが迷惑かけて悪かったね」
「お互い様よ、それに何もなかったみたいだし」
というよりも、スリザリン生がちょっかいをかけたと思うんだけど。
「行くわよ、ドラコ」
そう言って大広間のドアを抜けた。




END

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