はジェントルマン



「ねぇ、あたしもその中にいれてくれない?」

「馬鹿ですか、貴方は」
立海のジェントルマン。
それがあたしの親友だったりする。
柳生比呂士、もといピロシは2年から編入してきた私に校舎の案内だとかの世話を焼いてくれた。
面倒見の良い奴。
そのピロシに先ほどの話をすると案の定呆れられた。
事の発端は、毎回毎回違う女の子をとっかえひっかえしてる銀髪の男に、
その中にいれてくれないかと尋ねたことだった。
その男は、一瞬驚いたような目をしたが何も無かったようにええよと言った。
それをピロシに報告すると、
「貴方は、仁王君が好きだったんですか?」
ぐいっと、ずれた眼鏡を直しながらピロシは言った。
「仁王君って誰?」
あたしがそう答えるとせっかく直した眼鏡が再びずれた。
「仁王君の彼女になったのでしょう?」
「仁王ってもしかして銀髪の男?」
「他に誰が居るんですか?」
なるほど、あの男は仁王って言うのか。
よく見かける割には、名前は知らなかった。
「もしかして、名前知らなかったんですか?」
そんなことありませんよね、と言葉には発せられてない声が聞こえたような気がした。
「んー、知らなかったよ」
「名前も知らない人の彼女になりたいと言ったのですか?」
「正確には彼女の一人、だけどね」
「……馬鹿ですか、貴方は」
「うわっ、ひどいね、ピロシのくせに」
「比呂士です」
「一緒じゃん」
「全然違います」
ピロシの頑固者め。






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