ラッキカラーとチェリーキャンディ



今日のラッキーカラーは赤。
そんなわけで今日は、赤ぶちの眼鏡をかけてご出勤☆
といっても、アルバイターなんだけどね。
自分の通っている学校からは結構離れた所に位置するコンビニ。
其処が私のバイト先。
最寄りの学校は聖ルドルフ。
よく学生達がやってくる。
今日も今日とて、少年が商品を持ってやってくる。
レジ台の上に置かれたのはチェリーキャンディ。

「お印でよろしいですか？」
お決まりの台詞を告げる。
「んふっ、かまいませんよ」
んふっ？
んふっていったよこの人ー!!
聞き慣れない台詞に、思わずがばっと顔をあげたいところを何とか押しとどめ
ごく自然に、至って普通に顔を拝見する。
……。
うわー、きれいな人。
片手で髪をいじってるって事は案外寂しがり屋かな？
なんて、最近読んだ本の内容を思い出しつつもテープを商品に貼る。
それから精算をしておつりとレシートを渡す。
「ありがとうございました」
そして頭を下げる。
だいぶ慣れたこの作業に、相手はありがとうと言って店を出る。
聖ルドルフの生徒には、おかまもいるんだね。
この間は、赤いはちまきとアヒルもいたし。
凄い学校だなぁ。

「ねぇねぇ、きいてよ！」
バイトから帰る途中に、今日の一番の出来事を話す。
「んー、何々？」
「今日さ、おかまみたんだよー！」
「ええー、ほんとに！？どこで、どこで？」
「バイト先に、チェリーキャンディ買いに来たんだけど、
『んふっ』って言うの！」
「ええー！！俺も見たい、そのおかま！！
ちゃんずるい〜」
「ずるくないよ〜」

今日も平和です。



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