夢見ると馬鹿兄貴 2




「俺、知ってたよ?」
あっでも、忍足の妹だとは知らなかったけどねー。
そうのたまわった芥川慈郎に、兄貴とうちは固まった。
「そやったら、なんで反対しぃひんねん!!」

「そんなこと言ったって俺にも拒否権なかったCー」
うーんとのびをしながら芥川慈郎は言った。
はぁ、だいたい拒否権無いってどういう事やねん。
「ねぇ」
ほんま、おかんは何考えてんねん。
おとんは、きっと(間違いなく)おかんに負けたんやろなー。
「ねぇ」
おとん、おかんに弱いもんな。
「ねぇってば!!」
思いっきり制服の袖を引っ張られた。
「うわっ」
反動で倒れそうになった。
「なにすんねん!」
「さっきから話しかけてるのに無視しないでよ、俺悲C−」
さっきから思ってたんやけど『Cー』ってなんやろ。
「なに?」
「俺、芥川慈郎!ジローって呼んで」
何か妙にテンション高くなってるのは気のせいか。
隣でゆー兄が覚醒しよったとか呟いてる。
もしかしてこれのことやろか?
「ジローね。忍足、これの妹」
ゆー兄の方を親指で差しながら自己紹介。
「これ!?これってなんやねん、ひどいわ〜」
急に喚き出す、ゆー兄。
「はいはいわかったから。ところでジローとゆー兄は知り合いな訳?」
「テニス部や」
ふふんとでも言いたそうなこの兄貴、本当に何とかしてください。
「ふーん、テニスやってるんや」
まあ、そんなとこやとは思ってたけどな。
「うん、俺S2なんだよー」
シングルス2って何?
うち、自慢や無いけどテニスはさっぱりやねんよなぁ。




top

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送