ここキスして



あたしは絶対あなたの前じゃさめざめ泣いたりしないでしょ。
これはつまり常に自分があなたに似合うため。

ここでキスして。前編

「……ひっく……うぇーん……」
、一二支高校二年、野球部マネージャー。
只今学校の屋上にて泣いてる所。
理由は彼氏の虎鉄大河の浮気癖。
いつものことなのに、いつもいつも泣いてしまう。
でも、泣き顔を人に見られたくないし、大河に泣き虫だってばれるのが嫌だからたいてい泣きそうになったら屋上まで逃げてくる。

「うー、駄目だなあ」
とりあえず涙も止まって一息。
「……何が……駄目なの……?」
ふいに上から声をかけられた。
見上げてみるとそこには空よりももっと青い色の髪の毛、サングラス、そしてヘッドホン。
同じ部活の一年司馬葵。
「えっ、あんた喋って……!?」
うわー、初めてきいたよ司馬の声。
「……俺だって喋れるよ」
いつの間にか、司馬は近くに来ていた。
「そりゃー、そうよね。失礼なこと言ってごめんね。」
そういうと司馬はフルフルと首を横に振った。
「……で、何が駄目なの?……先輩いつもここで泣いてるよね?」
いつもじゃないわよ、いつもじゃ。
「ってえぇぇぇぇぇー!!何でそれを!?」
「……だって、俺いつも上にいるから」
そういうと司馬はさっき自分がいた場所を指さした。
「……虎鉄先輩の所為?」
「っ……。大河の所為ってわけじゃないの。ただ、あたしが泣き虫なだけ」
やばっ、また泣きそう。
「……でも、それは虎鉄先輩の浮気癖が原因でしょ……」
「なっ。なんでそんなこと……言うのぉー。ふえーん……」
あたしはまた泣き出してしまった。
司馬はオロオロしている。
あわてるぐらいならはじめから、そんな図星のこと言わないで。

NEXT


top 

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送